バルトレックスはヘルペスに対して高い効果を発揮する治療薬

2019年12月14日
薬を飲んでいる男性

ヘルペスは発症後に放置しても自然に治癒しますが、場合によっては数週間もの間にわたり不快な症状に苦しめられることになります。口唇や性器にできた病変部からウイルスが排出されるので、他の人にうつしてしまう恐れもあります。

この感染症はウイルス感染が原因で発症するので、抗生物質(抗菌薬)を服用しても効果は期待できません。今はウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を有効成分とする治療薬が開発されているので、ヘルペスを発症しても積極的に治療をすることが可能です。治療薬を服用すれば、治癒までに要する期間を数日程度に短縮させることができます。

1980年代に世界初の抗ウイルス薬(アシクロビル)を含むヘルペス治療薬のゾビラックスが発売され、飲み薬や塗り薬を使って治療をすることができるようになりました。アシクロビルはウイルスのDNAの合成を阻止することで、病原体の増殖を防ぎます。ゾビラックスは今でも販売されていますが、有効成分の血中濃度が持続する時間が短いというデメリットがあります。血中濃度を保つために服用回数を多くする必要があり、ゾビラックスは1日5回に分けて薬を飲まなければ効果を発揮しません。

現在はヘルペス治療のために、バルトレックスが多く用いられています。バルトレックスの有効成分はバラシクロビルで、体内でアシクロビルに分解されてウイルスの増殖を防ぐ効果を発揮します。バラシクロビルは体内で徐々にアシクロビルに変化するため、効果の持続時間が長いという特徴があります。このため、バルトレックスはゾビラックスよりも少ない服用回数でも効果を発揮することができるという特徴があります。バルトレックスを服用すると体内の単純ヘルペスウイルスの増殖を抑制するので、自然治癒と比べて少ない日数で完治させることができます。

外陰部や口の周囲であればゾビラックスが配合された外用薬でも対処できますが、口内に発症した場合は塗り薬は使えません。バルトレックスは飲み薬なので、性器だけでなくて口内の粘膜にヘルペスが発症した場合にも高い効果を発揮します。バルトレックスは服用回数が少ないだけでなく、口内や性器の粘膜に発症した場合にも治療薬として使用できます。

水疱瘡や帯状疱疹を発症する帯状疱疹ウイルスは、単純ヘルペスウイルスの近縁種です。バルトレックスは帯状疱疹に対する有効性も確認されていて、病院やクリニックで処方されています。

バルトレックスは性器・口唇ヘルペスや帯状疱疹の治療薬ですが、予防薬としても有効性が認められています。頻繁に性器ヘルペスが再発して悩んでいる場合は、500mg錠を1日1錠飲むことで発症を予防することができます。抗ウイルス薬は抗生物質のように腸内細菌を殺傷することがないので、予防目的で飲み続けても下痢などの消化器系の副作用が出にくいという特徴があります。

バルトレックスは処方箋薬なので、一般向けに販売されていません。薬を購入するためには、病院やクリニックで診察を受けて処方箋を出してもらう必要があります。